修士
MULTISENSORY SYNESTHETIC ARCHITECTURE
空間デザインスタジオ
#空間デザイン
本論文は、筆者自身の色–空間共感覚を出発点とし、その特異な知覚を他者が追体験しうる多感覚建築へどのように翻訳しうるかを検討した研究である。共感覚を神経多様性の一形態として捉え、視覚偏重の近代建築を批判的に捉え直しながら、色が空間の厚みや圧力、遠近感、感情に与える影響を体系的に記述し、設計資源として再構成している。
方法として、共感覚や多感覚知覚に関する文献レビュー、自伝的現象学による日常の共感覚体験の記録と質的コーディング、多感覚インスタレーション等の事例分析、さらに上野恩賜公園を敷地とする実験的設計を往復させた。分析の結果、色が生み出す空間のキャラクターを圧縮する赤い地面空間、拡張する青い上方空間、霧状に拡散する場、鋭く切断された境界空間といった型に整理し、形態と色、光、音、マテリアルを連動させる設計指針としてまとめた。
設計提案では、公園動線上に通り抜け可能な建築を計画し、強弱の異なる共感覚的体験とクールダウン空間を組み合わせることで、自閉スペクトラムを含む多様な感覚プロフィールの人が選択的に関われる構成とした。また小規模な質問紙調査により、共感覚の基礎的理解や「他者は異なる世界を知覚している」という気づきが一定程度得られる一方、表現や説明のわかりにくさも明らかになった。全体として、多感覚共感覚的建築という概念枠組みと、色–空間共感覚を設計へ接続する分析モデルの有効性と限界を示した。
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