学士
Soft Architecture
空間デザインスタジオ
#空間デザイン#コンセプチュアルデザイン
「布」を用いた柔らかい建築を提案する。本研究における柔らかさとは、素材や構造の柔らかさに加え、空間の雰囲気や自然光が生み出す空気感を含むものである。
現代の住空間は、機能性や効率性を重視するあまり、壁や扉によって空間や人との関係が過度に明確化されていると感じた。そこで、物理的な構造だけでなく、人が空間の中でどのように感じ、他者とどのような距離感で関わるのかという体験的な側面に着目した。本研究は、布と光を用いることで、住空間における境界のあり方を柔らかく再構築することを目的とする。
布は、人をくつろがせる効果を持つ素材である。視線・音・気配を完全に遮断せず、緩やかに調整することができるため、曖昧な間仕切りとして機能する。これにより、空間や人のつながりが生まれる。また、動かしやすいため構造に柔軟性をもたらし、光との相性も良い。以上の理由から、布を主なマテリアルとして用いた。
一例として、12〜16人規模の宿泊施設(短期滞在用)を提案する。デザインコンセプトは「境界のグラデーション」である。壁の代わりに三層の布を用いることで、人と人、空間と空間の間に曖昧な境界を生み出した。三層の布は、内側からオーガンジー、チュール、キャンバス生地で構成されている。それぞれの布は光の透過率が異なるため、その差異によって影や光に揺らぎが生まれる。これにより気配の濃度の変化が生じ、壁ではない曖昧な境界となる。
外壁を全面ガラス張りとし、自然光を布で受け止めることで、光の量や空間の雰囲気を柔軟に調節できる構成としている。布のレイヤーは、必要に応じて二層にしたり一層にしたりと調節することができるため、住人は自由に気配の濃度や空間の広がりを調節できる。風や人の動きによって布が揺らぎ、固定されない、生きているかのような柔らかい空間が生まれる。少し極端な試みではあるが、建築の新たな可能性を探る提案である。
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この作品は Gallery A : A13にてご覧いただけます。
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