学士
ローカル素材と光のデザイン
製品・サービスデザインスタジオ
#プロダクトデザイン#サスティナブルデザイン#人間中心デザイン
ペットボトルライトは、発展途上国など安定した電力供給が難しい地域や、電気代の負担が大きい地域において、昼間の自然光を室内に取り込む方法として広く使われている。水を入れたペットボトルを屋根に取り付け、太陽光を屈折させることで空間を照らす仕組みであり、電力を使わずに光を得ることができる。2013年にはフィリピンで14万世帯に導入され、その後15カ国以上に広がり、現在も多くの人々の暮らしを支えている。
一方で、ペットボトルライトの光は、その広がりや方向を調整することができない。そのため、昼間には過剰に強い光が差し込む場合や、一つの空間で異なる活動を行う際に不便が生じる。光は取り入れることはできても、その状態を選ぶことはできない存在であった。
そこで本研究では、ペットボトルライトに取り付けるライトカバーの制作を行った。光の「強さ」「大きさ」「方向」を制御することで、より人々の生活に合った光を届ける方法を検討した。
制作にあたっては、2つのアプローチを行った。1つは、現地で発生する廃材を用い、特別な工具を使わずに制作できる現地制作型である。お菓子の包装や洗剤容器、靴紐など、日常の中にある素材を用い、現地の人々自身が制作できる形を検討した。身近な素材によって光に変化を与えることで、今ある環境の中で光との関わり方に小さな選択肢を生み出すことを目指した。
2つ目は、廃材という制約を外し、光の制御に適した素材や形状を用いて展開する設計展開型である。求める光の状態をかたちにすることを目指しながら、過度に複雑な構造に頼るのではなく、光の透過や広がり方に着目して設計を行った。機能とデザイン性の両面から検討することで、光の質そのものに働きかける可能性を探った。
異なる2つのアプローチを通して、ライトカバーがどのような形になりうるかを模索した。本研究は、光を「得る」ための仕組みに対し、「どのように届けるか」という視点を重ねる試みである。光にわずかな調整の余地を与えることで、環境に委ねられていた光は、人の暮らしに寄り添う存在へと変化する。その関係性の再構築を通して、ペットボトルライトに新たな可能性を見出すことを目指した。
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この作品は Gallery B : B04にてご覧いただけます。
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