学士
盤面画像解析と大規模言語モデルを用いたリアルタイムオセロ実況
インタフェースデザインスタジオ
#インターフェースデザイン#ヒューマンコンピュータインタラクション#AI
大規模言語モデル(LLM)の活用方法の一つとして、リアルタイムにコメントを生成し、スポーツやゲームの実況を行う研究が進められている。本研究では、これまで対象とされてこなかったアナログなボードゲームであるオセロを題材とする。また本システムには「ムードメーカー」という役割を与え、コメントの正確さよりも、プレイ体験にどのような変化をもたらすかに焦点を当てた。さらに、プレイヤー自身が実況を「聞きながらプレイする」体験についても検討する。
本研究では、カメラでオセロの盤面を認識し、新たな手が打たれるたびにその局面情報をLLMへ送信する。プロンプトでは「感情的な実況者のようなコメント」を生成するよう指示し、生成されたコメントを音声で自動再生することで、プレイヤーは実況を聞きながら対局を進めることができる。
制作したプロトタイプを用いてデザイン探索を行った結果、参加者6名全員が本システムの有用性を肯定的に評価した。特に、感情・思考・コミュニケーションの側面において間接的なポジティブな影響が確認された。また、自身の手に対して即時にコメントが返ることで、その手の良し悪しを振り返るきっかけとなり、思考を促進する効果も見られた。このことから、本研究の目的はムード形成にあるものの、副次的効果として初心者支援の側面も有することが示唆された。
一方で、AIによるコメントがネタバレのように感じられる場合があることも明らかとなった。特に真剣勝負の場面では、「他の手の方が良かった」といった評価的なコメントは不要であるという意見も見られ、カジュアルなプレイと競技的なプレイとで求められるコメントのあり方が異なる可能性が示唆された。
今後は、カジュアル/真剣勝負モードの設計やAIの性格を変更できる機能の実装、同一表現の繰り返しを防ぐ仕組みの導入、局面文脈をより適切に反映したコメント生成のためのプロンプト改良に取り組む。また、今回のデザイン探索では評価軸を明確に定めず、メモベースのインタビューに留まっていたため、今後は感情・思考・コミュニケーションへの影響を定量的に測定する実験を実施する予定である。
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