学士
バーテンダーの視点から見るバーでのコミュニケーション調査とカンバセーションスタータとしての照明の制作
インタラクティブアートスタジオ
#インタラクティブアーキテクチャ
バーは単にお酒を提供する場ではなく、人と人とが出会い、関係を築くコミュニケーションの場としての側面を持っている。しかし、実際にバー店内でどのようなコミュニケーションが生じているのかは十分に整理されておらず、状況に応じたバーテンダーの立ち振る舞いについても体系化されているとは言い難い。そこで本研究では、私が勤務するバーを対象に、店内で発生する客同士、または客とスタッフのコミュニケーションをバーテンダーの視点から記録・分析し、「好ましい状況」と「改善の余地がある状況」に分類した。
観察は、営業中にノートやデジタルツールを用いて継続的に行った。しかし、メモによる記録は出来事を端的に残せる一方で、その場の空気感や距離感、微妙な緊張や温度差までは十分に伝えきれないという課題があった。そこで、いくつかの特徴的な事例を小説形式に再構成することで、実際にそのバーを訪れたことのない人にも情景を想像できる形へと翻訳した。小説は事実の代替ではなく、観察者である私の解釈や視点を可視化するための補助的な手法として位置づけている。
さらに、「会話」を起点に状況を好転させられる可能性に着目し、カンバセーションスタータとして機能する照明を制作した。バーで実際に使用されている酒瓶のガラスを再利用したシェードと、圧力センサによって光が変化するインタラクティブな仕組みを組み合わせることで、来店者が思わず触れたくなり、共有したくなる装置を目指した。実際に店舗へ導入し、その後の反応や変化を記録することで、効果と課題の両面を検証している。本研究は、バーという場におけるコミュニケーションの質を問い直し、より心地よい関係性を支えるための環境デザインの可能性を探る試みである。
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この作品は Gallery B : B18にてご覧いただけます。
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