学士
交通集中地帯における新たな移動手段としての水上モビリティの提案
トランスポーテーションデザインスタジオ
#プロダクトデザイン#モビリティデザイン
都市部では鉄道や道路の混雑が常態化し、通勤・退勤時間帯には移動の快適性が大きく損なわれている。鉄道は混雑率が改善傾向にあるものの、ラッシュ時の負担は依然として大きい。道路交通も朝夕には渋滞が発生し、東京都特別区の混雑時平均旅行速度は約15.0km/hにとどまるなど、移動効率の低下が課題となっている。
本作品では、こうした都市交通の課題に対し、水運を活用した新たな移動手段を提案する。モデルケースとして選定した目黒川は、鉄道路線が点在する一方で主要道路が少なく、混雑が生じやすい地域である。既存交通を補完する水上ルートを整備することで、利用者分散と移動の選択肢拡張を図る。
船体は電動・ウォータージェット推進を採用し、浅く狭い河川環境でも安全に運航できる設計とした。スクリューを用いないことで水深の制約を受けにくく、都市河川に適した構造としている。運転席は前後に配置し、転回を不要とすることで限られた川幅でも円滑な折り返しを可能にした。操作は携帯型コントローラーにより行い、運転手が前後を移動して対応する仕組みとすることで、効率的な運航を実現している。
前後のライトは進行方向を緑、逆側を赤とし、周囲から直感的に進行方向が把握できるよう設計した。夜間や視界不良時の安全性向上にも配慮している。船内には車椅子スペースと自転車置き場を設け、通勤・通学など日常利用に対応した。船体色には目黒区の江戸紫と渋谷区の渋谷パープルを基調とした紫色を採用し、地域性と路線の象徴性を表現している。
水上モビリティを観光用途に限定せず、都市に溶け込む新たな交通インフラとして位置付けることで、河川空間の再活用と持続可能な都市移動の実現を目指す。
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この作品は Gallery A : A05にてご覧いただけます。
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