本研究は,楽曲構造を基盤とした3DCGアニメーション制作に関する実践的研究である.音と映像の関係を単なる演出上の装飾として扱うのではなく,楽曲のリズムや小節構造,フレーズ展開を映像設計の出発点とすることで,作品全体の構成や印象がどのように形成されるのかを整理することを目的とした.
制作にあたっては,楽曲を先に選定し,その時間構造を分析した上で,カット割り,カメラワーク,キャラクターの動き,場面転換のタイミングを設計した.特に2小節単位の反復構造やビートの強調点に合わせて動作や編集を配置することで,視覚的リズムと聴覚的リズムを同期させる構造的調和を意識した.一方で,あえて同期を弱めたり,ずれを生じさせたりする構成も試み,音と映像の関係を一義的な正解として固定しない姿勢をとった.
物語性を重視した作品では,楽曲の展開を起承転結の区切りとして利用し,感情の転換点や状況変化を音楽構造と対応させた.広告的性格を持つ作品では,30秒という制限の中で2小節ごとに情報を整理し,リズムに乗せて内容を提示する構成とした.さらに実験的作品では,同一映像に異なる楽曲を組み合わせる,あるいは同一楽曲に対して同期の度合いを変えた複数の映像を制作することで,印象の変化を比較した.
その結果,音と映像の強い同期は作品に統一感や高揚感を与える一方で,物語理解や情報伝達とのバランスが重要であることが明らかになった.本研究は,制作過程の振り返りを通して得られた知見を言語化するものであり,音楽を基盤としたアニメーション制作における一つの実践的視点を提示するものである.
Map
この作品は Gallery A : A34にてご覧いただけます。
この作品に関連した作品・研究
お気に入りの作品
© 2026 Department of Industrial Art, Tokyo Metropolitan University
